雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫)
村上 春樹 / 本
雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫)ダウンロード - 村上 春樹による雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫)は新潮社; 改版 (1991/7/30)によって公開されました。 これには224ページページが含まれており、本というジャンルに分類されています。 この本は読者からの反応が良く、40人の読者から4.6の評価を受けています。 今すぐ登録して、無料でダウンロードできる何千もの本にアクセスしてください。 登録は無料でした。 サブスクリプションはいつでもキャンセルできます。
雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫) の詳細
この本を見つけたり読んだりすることにした場合は、雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫)の詳細を以下に示しますので、参考にしてください。
タイトル : 雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫)
作者 : 村上 春樹
ISBN-104101001391
発売日1991/7/30
カテゴリー本
ファイル名 : 雨天炎天-ギリシャ-トルコ辺境紀行-新潮文庫.pdf
ファイルサイズ27.4 (現在のサーバー速度は27.55 Mbpsです
雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫)ダウンロード - 内容紹介 「女」と名のつくものはたとえ動物であろうと入れない、ギリシャ正教の聖地アトス。険しい山道にも、厳しい天候にも、粗食にも負けず、アトスの山中を修道院から修道院へひたすら歩くギリシャ編。一転、若葉マークの四駆を駆って、ボスフォラス海峡を抜け、兵隊と羊と埃がいっぱいのトルコ一周の旅へ――。雨に降られ太陽に焙られ埃にまみれつつ、タフでハードな冒険の旅は続く! 内容(「BOOK」データベースより) 「女」と名のつくものはたとえ動物であろうと入れない、ギリシャ正教の聖地アトス。険しい山道にも、厳しい天候にも、粗食にも負けず、アトスの山中を修道院から修道院へひたすら歩くギリシャ編。一転、若葉マークの四駆を駆って、ボスフォラス海峡を抜け、兵隊と羊と埃がいっぱいのトルコ一周の旅へ―。雨に降られ太陽に焙られ埃にまみれつつ、タフでハードな冒険の旅は続く! 商品の説明をすべて表示する
カテゴリー: 本
雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫)を読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
著者はご存じ村上春樹。この旅の数年前には「ノルウエイの森」でブレイクし、一躍国民的作家と目された。団塊の世代、嗜好はアメリカン・スタイル。健康志向でマラソン・トライアスロンに関心がある。金の卵であるこの作家を取り込むべく、大手出版社(新潮社か講談社であろう)が持ち込んだ企画が、春樹好みのちょっと「ハードな」ギリシャ・トルコ辺境の旅。スタイルは若者気取りのバックパッカーの旅。とは言っても、金欠若者の危険な放浪旅ではない。「先生」には若い写真家なり編集者が同行し、雑事は彼らがすべて処理する。さはさりながら本旅行記は面白かった。村上が何故かくも、とりわけ若い世代に受けるのか納得した。文章は明晰で、いささかバタ臭く軽やか。深刻で小難しい議論には立ち入らない。つい最近まで(NATOのメンバーとなりアメリカ体制に組み込まれる以前の)トルコには怪しく・不気味なイメージがあった。映画アラビアのロレンスやトルコ官憲に捕まった「Midnight Express」のアメリカ青年がいかにひどい目にあったかを想起すればよい。が、本書は今のトルコ、憎めないトルコ人について優れたリポートとなっている。観光地イスタンブールやエフェソスでなく、我々のよく知らぬ東部辺境の奥地アナトリア地方(ソ連、イラン、イラク、シリア国境に接する)や「魔の国道24号線」について何ほどかを知ったのも収穫であった。とりわけ黒海沿いの町「ホバ」の記述は美しく文学的表現に非凡なものを感じた。問題は聖地アトス編。宗教にうといと自認する作家とお付きの二人は、ただただ修道院の宿泊と食事のお世話になりながら「ハード」で「ワイルド」な山道を雨に打たれて歩く。話題は食事や宿泊設備の良し悪し。翌朝出立に親切に食糧を提供してくれたかどうかである。一体何のためにアトスの聖地を訪ねたのか。こんな不便の地で今なお修行する修道士たちは、どの国からやってきて、過去にどんな人生を背負っているのか。十字軍による聖地コンスタンチノープルの略奪、トルコの包囲を知りながら陥落をただ座視した西方カトリック教会。西ヨーロッパ世界からギリシャ正教が被った数々の不当な悲劇を知ることは、ギリシャ人の本音を知るための鍵なのである。今日ノーベル文学賞うんぬんを噂されるほどの作家でありながら、ギリシャの近現代史にほっかぶりし、ギリシャ正教の聖地で修行する人々の心に何ほどかの問いかけを試みることなく、無知な高校生や大学生ではあるまいに、ただただ修道院巡りをやっただけの記録となっているのは残念で、情けない。聖地アトスの存在を知って感心するのも結構だが、本書を契機にギリシャの近現代史に少し足を踏み入れてはいかがだろう。イタリア・ドイツの占領をやっとの思いで脱したギリシャはこの後肉親の対立をも巻き込んだ深刻な内戦に突入し、ギリシャの社会をズタズタにする。大戦の余燼くすぶるギリシャの地方を「若くしなやかな精神」をもって歩きながらギリシャの人々の内面を探ったケヴィン・アンドリュースの「イカロスの飛行」(みすず書房)は必読書。紀行文学の最高傑作のひとつ。最近出版された村田奈々子著「物語近現代ギリシャの歴史」(中公新書)もお薦め。
0コメント